このcanonicalタグは、主にSEOの働きを目的として挿入されることが殆どです。
よくSEO会社を使っている場合、『リンクジュースを移す・流す』などという表現をされます。
「つまり、目的のページのSEOの力を高めることが出来るのでしょう?」
この様な認識をされている方が多いのではないでしょうか?
しかし、実際のところ大きな誤認をされているケースが非常に多いです。
canonicalタグの働き
まず、canonicalタグの正しい働き・意味としては、
『ウェブページ著作権の正規化』をすることを目的としたタグです。
同じ内容を含むウェブページが存在すると、後出のページはコピーコンテンツ扱いとなります。
(コピーコンテンツは、Googleアルゴリズム・検索エンジン上でしっかりと判断されてしまいます。)
ほぼ同じ内容のウェブページがある場合、大元の一番初めに出来たページが有利です。
まったく同じ内容と見栄えのページは、後出のサイトがペナルティを受けてしまいます。
(または。真っ白な意味のないページのごとく、評価をされてしまいます。)
元サイトを閉鎖する場合で、ページコンテンツを後出のサイトに移す場合などに非常に有効です。
canonical(カノニカル)タグの誤った使い方①
サテライトサイトや宣伝サイトを作ったとします。同じページを丸々使ってペナルティや悪い評価を受けてしまったとします。
そのサイト評価を誤魔化し・打ち消す目的として、『後出ページ→大元ページ』に対してタグを使うとします。
この場合、「ウェブサイトの著作権を移す」という目的には全くそぐわないことになります。
検索エンジンに対して著作権保有者自信が、『私の作成した2つのURLはこちらが大元です。』
と主張することと同義のような状態になるので、ペナルティなどの不具合を取り除くことは出来るでしょう。
しかし、そもそもウェブサイトページのインデックスタイミングによって、ページ評価優劣は明らかなので、
100%同じ内容のページでない限り、この様な対応・使用方法は不適切であると言わざるをえません。
※引用文を使ったブログページなどの場合も、canonicalタグの使用は不要であると言えるでしょう。
canonicalタグの誤った使い方②
『リンクジュースを移す・流す』という働きを、『SEOの力を高める・与える』と勘違いするケースがあります。トップページにSEOの力を集めたいがばかりに、全てのページからトップページに対してタグを張る場合、
結論から言うと、「まったく意味のない行為」となってしまいます。
簡単に説明すると、サイト内の多くのページでコンテンツ内容が重複してはいないからです。
しっかりとcanonicalタグの意味を考えれば分かりますよね?
※ちなみに、例の対処をすることで、発リンクを生んでいることに近い状態になるかもしれません。
canonicalタグの誤った使い方③
下層ページが検索結果に該当する場合、canonicalタグを使用することで、トップページを該当させる働きはありません。
1つのサイト内に、AというトップページとBという下層ページが存在しているとします。
2つのページは、コンテンツ内容の重複は無いものとします。
Aページに対してBページからcanonicalタグで正規化をしても意味はありません。
これは、「canonicalタグの誤った使い方②」で説明した通り、ページ内容に対して意味が無いからです。
canonicalタグの正しい使い方①
あるサイト内に、内容の似通ったページが2ページあるとします。片方はトップページA、もう片方は下層ページBとします。
Aページの内容は、「a」「b」という内容です。
Bページの内容は、「b」という内容です。
BページからAページに対してcanonicalタグを働かせる場合、これは正規化が出来ます。
※しかし、BページはAページで補える内容だと判断されればBページのインデックスは削除されてしまいます。
canonicalタグの正しい使い方②
あるサイト内に、内容の似通ったページが2ページあるとします。片方はトップページA、もう片方は下層ページBとします。
Aページの内容は、「a」「b」という内容です。
Bページの内容は、「b」「d」という内容です。
BページからAページに対してcanonicalタグを働かせる場合、これは正規化が出来ます。
※BページにはAページが保有していない「d」という内容がある為、Bページのインデックスは削除されません。
(しかし、Bページの評価内容は「d」だけのページと判断されるでしょう。)
最後に
このように正しい使い方・間違った使い方を熟知しなければ、ドメインの取り直しやサイトの作り直しの際に間違った評価を移してしまいかねません。
canonicalタグにはリダイレクトを命令する働きはありません。
しかし、一度canonicalタグが張られてしまえば、関連ページとしての紐付けをすることになります。
検索エンジンが同じコンテンツだと判断すれば、自然とリダイレクト内容と同義となってしまいます。
ペナルティもcanonicalタグで遠回しに移るということを覚えておきましょう。